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コミュニティと自立を築く:社会福祉法人 大樹会



ー地域にあった温かい支援の場

大樹会は約30年前、障害のある子どもたちの親御さんが設立した「ぐしかわ作業所」から始まり、2007年に「社会福祉法人」となりました。

「就労継続支援施設くわの実」は沖縄県うるま市にあり、主に知的障害のある方々が公園等での草刈作業や焼き菓子の製造・販売、アート活動などを行っています。それらを通してその人らしさを引き出し、社会とのつながりを自然な形でつくることを大切にしながら支援をしています。

「グループホームくわの実」は、入居者が住み慣れた地域で安心して暮らせるよう食事や家事などの日常生活のサポート、入浴支援や夜間のサポート、日々の相談等を行う事業所です。


ー「利用者の笑顔とともに前進する施設」


施設長の西村 夏生さんにお話しを伺いました。

ー施設設立の経緯や背景について教えてください。

西村さんー 大樹会自体は30年ぐらい前に、当時、障害のあるお子さんを持っていた親御さんたちが、ぐしかわ作業所をスタートさせたさせたというところから始まっています。社会福祉法人大樹会としてスタートしたのは16年前からで、今は法人設立17年目になります。


ー地域との関わりついて教えてください。

西村さんー B型の方で「おやつのマルベリー」というお菓子屋さんをやっていて、月に一回、上平良川公民館に出張販売に行っています。また、今年の7月から始めた、「出張パークマンズ」というグループがあるのですが、その出張パークマンズのメンバーが地域の方のお庭やお墓などの敷地の清掃を請け負うという形で地域と関わりを持っています。


ー大樹会の1番の魅力を教えてください。

西村さんー 利用者さんがバラエティーに富んでるっていうのはどちらの事業所でも同じだと思うんですが、とにかく職員がよく笑っていると思います。1日を通してどこからか職員の笑い声が聞こえていて、先に利用者さんが笑っているかもしれないんですけど、楽しそうに過ごされている場面があちらこちらでみられるところが魅力だと思います。


ー利用者さんや、そのご家族から寄せられている喜びの声などがあれば教えてください。

西村さんー そうですね。生活介護の方でatelierくわの実というアート活動を3年前からやっているんですが、 展示会を開いた時に、 額に自分が描いた絵が飾られているという状況に、喜びを示してくださる利用者さんもたくさんいらっしゃいます。また、そういう展示会に足を運ばれた親御さんが、自分のお子さんの「こんな絵も昔描いてた」とか、「実はこんな絵も描ける」とか、 お子さんの自慢話をしてくださる場面が増えたっていうところと、それに対して「ありがとう」という言葉をいただけるようになったっていうのはあります。


ー施設の目標や今後の計画。

西村さんー 社会福祉法人として運営しているので、障害に対する啓発活動というか、障害っていう言葉で括ってしまうと、やっぱりハードルが高いというか、 自分とは違う世界の人たちっていう風に取られがちなんですが、そうではなくて、アートだったり、おやつだったり、彼らが得意としている、草刈りとかの作業を通して彼らのことを知ってもらう。

「障害のある人たち」ではなく、そのおやつを作ってる誰々さん、この絵を描いてる誰々さん、草刈りが上手な誰々さんっていうことをもっと地域の中に広めていって、 障害のあるなし関係なく、自分たちが誰かの役に立ってるんだっていう実感を持ちながら生活していけるような社会を作っていくことを、今やっている活動を通して展開していこうと思っています。



ー障がい者の自立と笑顔を支える 〜「グループホームくわの実」の取り組み 〜

「くわの実」では、障がいを持つ方々が安心して地域の一員として暮らせるよう、いろいろな活動を通じて自立や成長をサポートしています。利用者さんたちが毎日楽しく、そしてやりがいを感じられる場をつくるために、スタッフの皆さんが力を注いでいるのがとても魅力的です。今回は、その中でも特にユニークな3つの取り組みをご紹介します。

今回は、その中でも特にユニークな3つの取り組みをご紹介します。


ーおやつのマルベリー 

「おやつのマルベリー」では、利用者さんたちが美味しいおやつを作って販売しています。毎週火曜日には店舗が開かれ、さらに毎月第3木曜日には地元の公民館でも出張販売を行っています。スコーン作りの体験イベントもあって、利用者さんが作る手作りお菓子の温かさが地域の人々に広がっているんです。地元の人たちに支えられて、利用者さんたちも「また来てね!」と言ってもらえることに自信と喜びを感じているそうです。



ー出張パークマンズー


「出張パークマンズ」は、草刈り作業を行うスペシャリストチームが、地域のご家庭やお墓の草刈りをお手伝いする活動です。利用者さんたちは、丁寧でしっかりとした作業を通して地域の方々に「ありがとう!」と言ってもらうことが増え、達成感を得られる素晴らしい機会となっています。頼もしい「パークマン」として地域を元気にしてくれる、温かい取り組みです。




atelierくわの実

「atelierくわの実」は、利用者さんたちが絵を描く活動の場です。作品は展示会などでも紹介されていて、描いた絵を通じて自分の思いを表現し、地域の人たちと交流する中で、利用者さんたちが自分に自信を持てるようになっていく姿がとても印象的です。利用者さんたちが描いた作品は、うるま市の役所が発行しているうるま市障がい者プランの表紙にも掲載されています。

インスタグラムなどのSNSにも活動内容や作品がたくさん掲載されていますのでぜひご覧ください!!



ースタッフインタビュー

ーこの職業に就いたきっかけを教えてください。

伊佐さんー 10年ぐらい前に、入所施設で洗濯をする係でパートさんでお仕事してたんですけど、 そのお仕事は毎日のことだったので、利用者さんも一緒に洗濯物を畳んだりとかするんですけど、知的の方や自閉の方と一緒にその作業するんですけど、とってもお仕事がすごく上手だったんですね、初めてそういった障がいを持った方と関わる中で、こんなにお仕事ができるんだってすごく感動して、 これからしばらくして、私、そういった障がいを持った方と一緒に働きたいと思ってました。それで福祉サービスで支援A型とか支援B型があるのを知って、12年ぐらい前ですかね、くわのに就職したっていうところです。


ー働く上でのやりがいや、感動したエピソードについて教えてください。

伊佐さんー 一言で言うのはとっても難しいんですけど、毎日利用者さんに変化があるんですね。ただ、その毎日この変化を見ながら、その日1日1日、利用者さんが発信してくる気持ちとこちらの気持ちがマッチングした時にすごく感動します。こういう思いをしてたんだなとか、そういうことを知ってもらいたかったんだなとかっていうのを汲み取れた時が 私は1番感動しますね。



ー職場での職員同士のコミュニケーションや雰囲気について教えてください。

伊佐さんー とてもいいと思います。 基本、私がちょっとパタパタしてるので、なかなか見れないところがあったりするんですけど、職員さんは必ず困ったことがあったら ちゃんとヘルプを出してくださいます。必ずみんな声かけがすごく上手で、うちの職員さん、何かあるごとに仕事中の進捗の共有をしていて、お仕事をしっかり繋いでいくので、チームワークはいいかなと思ってます。


ーこれからの目標を教えてください。

伊佐さんー 12年間お仕事してる中でも、皆さんそれぞれ個性があって、 一括りでね、知的とか自閉とかいろんな障害名はあるけれども、やっぱ1人1人が違っていくので、本当にその1人1人の障害特性を知ってですね、 それに合う線が組み立てるように常に考えて前向きに進んでいきたいなと思ってます。


ー施設の魅力を教えてください。

伊佐さんー もう魅力いっぱい。魅力だらけ(笑)

とっても素敵な施設です。まず、利用者さんがすごく明るいことで、利用者さんの明るさに負けないぐらい、職員が明るいこと、何よりも 職員が楽しく仕事をしてることです。

うちは、atelierくわの実と、おやつのマルベリー、パークマンっていう活動があるんですけど、どれも地域と繋がる魅力のお仕事だと思ってます。

そのお仕事を通して、利用者さんを知ってもらうっていうところは、くわの実はすごく魅力的かなと思ってます。



ースタッフインタビュー


ーこの職業に就いたきっかけを教えてください。

ワンさんー 個人的に福祉では初めて就いた仕事だったんですけど、 経験を積みたかったというのと、法人のホームページに時々様子があげられていて、それでなんか温かい雰囲気が伝わってきたのでいいかなと思って、受けてみたっていう感じです。


ー働く上でのやりがいや、感動したエピソードについて教えてください。

ワンさんー 1番は利用者さんの 成長を間近で見ることができるっていうこと、もう他ではできないかなっていうのは思っていますね。


ー職場での職員同士のコミュニケーションや雰囲気について教えてください。

ワンさんー とっても働きやすくって。私も2回育休から戻ってきてるんですけど、 育休に入る前も後も皆さんすごく温かく受け入れてくれていて。 育児の相談とかも先輩として乗ってくれるので、とってもやりやすいです。



ーこれからの目標を教えてください。

ワンさんー 目標は利用者さんの魅力をもっと外に伝えていけるように、今法人でも ホームページとかSNSとかに力を入れているんですけど、その辺をもうちょっと しっかりアピールしていけたらなって思っています。


ー施設の魅力を教えてください。

ワンさんー 魅力はもうなんと言っても利用者さんの人柄。皆さん個性的ですし、のびのびされています。私たちにとっても、片肘張らずにこのままでいいんだっていう感じでホッとできるような 空間になっているので、そこが魅力かなって思います。



ー笑顔と安心の空間

今回のインタビューを通じて、大樹会の設立背景から現在の活動状況、そして実際に働いているスタッフの声を聞くことができました。余暇活動の風景などを見ることができたのですが、職員も利用者さんも一緒に踊ったり、ゲームをしたりと利用者さんと職員が共に笑顔で過ごし、余暇活動や日常の支援を通じて信頼関係を築いている様子が印象的でした。また、取材中にも利用者さんから笑顔で声をかけてくださったりととても和やかな場所だなと感じました。


この施設は、地域に根ざした障がい者ケアを提供し、利用者の自立を支えながら、地域社会と共に歩む場所です。「グループホームくわの実」は、地域住民と利用者が互いに支え合い、温かいコミュニティを築くことを目指しています。人手不足という課題にも柔軟に対応し、多様な人材を受け入れサポートすることで、利用者の生活の質を向上させるだけでなく、働くスタッフの成長も促しています。これからも地域に根ざした福祉サービスを提供し続け、多くの人々にとって頼りになる存在であり続けてほしいと思います




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